Arco della pace

Arco della pace 
演劇的な空間

スペイン広場の大階段で野外ファッションショーが行われたのを見たことがある。そのファッションショーを眺めながら、”イタリアの街というのはそれ自身で舞台セットなんだ。”と思った。
日常の風景の中でも、街を歩くイタリア人は人から見られる事を強く意識している。それは劇場の中の役者と観客の関係のように「見る、見られる」関係に似ている。
この路地の向こうに見える円形のポーチはバロックの建築家、ピエトロ・ダ・コルトーナの手による教会、サンタ・マリア・デッラ・パーチェ(1657年)。
彼は劇場の舞台を意識してこの教会を設計した。このポーチが舞台で、教会の前の小さな広場を囲む建物の窓はボックス席と見立てられている。