Caprarola

 

caprarolaイタリアの小広場

その頃、僕達が住んでいたアパートはCentro Storico(歴史的街区)と呼ばれるローマの町の中心にある、18世紀に建てられたという6階建ての建物で、その5階に住んでいた。
15〜17世帯が住んでいる小さなアパートの屋上テラスにはたくさんの植栽があり、住人がそこで洗濯物を干したり、また日光浴をしたりして楽しんでいた。
ローマに限らずイタリアでは戸建の住宅に住む人は少なく、ほとんどの人は集合住宅に住んでいる。
古来から都市に集合として住むことに慣れ親しんでいる彼等にとって町の広場や通 りといった公共の空間はコミュニケーションの場である。
都市を一つの家と見なせば、広場や路地は彼等にとって自分達の家の延長である中庭であったり、居間だったりするのだろう。
時代の流れの中で建物に囲われながら自然発生的にできていったイタリアの広場は生活の一部として存在する活き活きとした空間だ。