住宅の間取り

studioX80新聞等のマンションの広告を見る。2LDK、3LDKといった間取りのタイプがまず目に入る。(当然その金額も。)
住宅を持とうと思い、間取りを考える時に一番の基準となるのは家族構成だろう。一般的に、子供と3人家族であれば客間(当然和室だったりする。)もいれて3LDKとか、現在は親子4人家族だが将来親と同居する事を考えて4LDKの間取りに…といった感じで間取りが決められていく。
しかし、家族の構成は時の流れの中で変わっていく。現在は必要な子供室も10年後には子供が独立して不要な部屋になるかもしれない。そしてさらに10年経って、子供夫婦と同居して2世帯住宅となるかもしれない。戸建て住宅であれば増築すればよいが、敷地や容積率(法規的な床面 積の制限)に余裕がない場合はそうもいかない。

住宅は可変性がある空間がいい。現在は3LDKでも将来は1LDKや4LDKに変えられるような住宅であれば、空間をその時々で有効に使う事ができる。

例えば子供室。子供が独立して不要となった2階の子供室は何となく納戸に利用するのではなく、例えば床をはずして1階のリビングとつながる吹き抜けにする。今までとは全く雰囲気が違う、ゆったりとしたリビングになるだろう。

友人とパーティができる広〜いリビングがうたい文句のマンション。年がら年中、自宅でパーティをする人はそんなにいない。広いリビングはそれ自体、とても魅力的だが他の空間の使い方はないだろうか?例えば可動間仕切りによって、広く使ったり個室に分けたりという可変的な使い方ができる方が融通 が利く。(でも100坪位の家だったら広〜いリビングはそのまま使った方がいいです。)

そう考えると住宅は浴室、便所、台所等の水回りだけを一カ所にまとめ(水回りは給排水設備があるので移動しにくいから。)居室をワンルームとした空間が一番いいのではないかと思う。
子供が大きくなったら簡単な間仕切りや可動家具で仕切る。
子供達が独立したらその間仕切りをなくし、例えば隣のリビングとつながる部屋とする。
夫婦の主寝室も、年を取ったらそれぞれの寝室を持った方が良いかもしれない。

家族の成長に合わせて対応できる住宅、それが自分の住宅の設計で一番大事に思う事だ。