オープンな空間

livingx80イタリアを旅しているとどの町でも魅力的な広場と出会う。それらは計画的に創られた広場ではなく、小さな建物に囲われた空間がそのまま広場になったような自然発生的な空間だ。

自宅の居間もそんな広場みたいな場所にしたいと思った。
そこは居間という固有名詞の場所ではなく、(でも他に呼びようがないのでここでは居間と呼ぶ。)建物というがらんどうの箱の中にいくつかの個室をちりばめてそれらに囲われた空間。
階段や廊下も室として囲う事なく、居間の一部としてある。

このオープンな空間で予想していた事していなかった事、日々いろいろな事を経験する。
例えば下記のような事。
オープンな空間となっているので建物の中は横にも縦にも見通 しがよく、空間の広がりを感じる。
縦に広がる吹抜けとなった上部から降り注ぐ自然光は居間全体に広がる 。
階段の初めの数段にちょっと腰掛けてベンチ代わり、子供達は踊り場に座ってパソコンで遊んでいる兄弟と話したり。
階段が上り下りするためだけの空間ではなく、くつろいだり、遊んだりする場所となる。
日曜日の昼、できあがったパスタを前に1階のキッチンからでもおーい!と2階に声かければ、すぐに返事が返ってくる身近さ。 etc…オープンであるためのデメリットは今はない。
が、将来それがないとはいえない。しかし、それはそれでその時に手を加えればいいと思っている。「将来の住い方の変化に対応できる可変性を持つ空間」がこの家のテーマなのだから。