敷地環境に対する対応-2

skipx80建築の設計では敷地条件を生かした建物にすることをいつも考える。
特に敷地の高低差がある場合、造成を極力少なくして(よけいなお金がかかるためでもあるが。)土地の高低差を建物のプランに利用する事を考える。
今回は敷地が道路より約1.5m高い事を利用して地下(道路から見ると1階)に駐車場と書斎を設けた。
地下の書斎の天井高は2.3mあるので、書斎の直上の1階の床の部分は 他の床より60cm程高く、スキップフロアーとなっている。
1階のリビングの一部であるこの空間は天井高が約2.0mと低く 、家族がちょっと仕事や勉強ができるようなコーナーとなっている。天井高が2.0mぐらいなので将来このコーナーを障子で仕切って、3帖程の和室にしようかとも思っている。
スキップフロアーは床のレベルを変える事により、同じ部屋の一部でありながら別 の雰囲気を持つ空間を創る事ができる。
また1階と2階の間にスキップフロアーをもうけた場合、途中に中間階ができるため、その空間を通 して互いの階のつながりがより強くなる。簡単に言えば、1階と2階の間に寄り道して遊ぶ場所ができる。
将来、地下の駐車場と書斎をアトリエとして使う事も想定している。そうなった場合も地下部分は道路と同じレベルにあるため、自宅とは別 の入り口を設ける事ができる。

変形敷地や高低差のある敷地等の不利な敷地条件も計画の考え方次第で有利な条件に変えられる事が多い。
むしろそうした土地固有の特性を活かした建物 の方が、造成に掛かる費用も少なく、また空間的にも無理、無駄 のない建物になるケースが多い。