S. Maria dell’Orazione

 Orazione
日常-1

朝7時頃、目がさめ起きる。顔を洗って着替え、まだ一歳にならない長男をベビーカーに載せて、毎日、朝市をやっている「Campo di Fiori」という近くの広場に買い物に行く。
昼の献立を想像しながら、魚屋さんや八百屋さんを眺める。そしてパン屋さんに立ち寄って手のひらサイズのバケットの様なパン、「Rosetta」をいくつか頼む。いつも元気なお店のおねいさんが、長男にオリーブオイルと塩だけで味付けした、とってもおいしい「Pizza Bianca」 をいつもの様に笑いながらひとつまみくれる。そしてうちの子は目を丸くしてそれをおいしそうに口に頬張るのだ。
その後、牛乳屋さんで牛乳とチーズを買う。近くの本屋さんに寄っていくつか本を眺めた後、「Bar」でコーヒーを飲みながら店のおじさんと話して家に帰る。そして軽い朝食をして本を一時間ほど読んで大学に行く。毎日、こんな風に一日が始まっていた。
ローマに住むことが決まったとき、町の真ん中に住むと決めていた。それはパンテオンやナボナ広場、コロッセオ等々の歴史的建物、空間が日常の生活空間の一部として毎日、触れることができるからだ。
「S.Maria dell’Orazione」というこの教会は18C初頭に建てられたバロック様式の建物。「Campo di Fiori」に近く、時々いつもの朝の買い物のコースを変更して寄り道したりした。テベレ川に面 した、目の前の並木通りはとても気持ちがいい。